幸せの数など競ってなんになる
泣かないで暮らすことのほかに、
どんな幸せがあるというのだろう
幸せの数など数えてみても
失う悲しみに気づいてしまうだけ
不幸せの理由が増えるだけ
それでも
積まずにいられなくて
それを希望というのなら
積まずにはいられなくて
ほんのひとつの幸せでいい
高く積み上げることもない
ほんのひとつの幸せでいい
それなら崩れることもない
死ななければならなかった幼子は
高く積み上げることはないままに
崩れることもないままだった
ほんのひとつの幸せだった