空を見ていた

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空を見ていた
同じ気持ちになっていた

空の高さに驚いた
僕らの夢もそこまで昇った

紙飛行機を飛ばした
滞空時間が果てしなく
どこまでも飛ぶのかと思われた

立ちのぼる積乱雲が風を起こした。
激しい雷雨が地上を襲った。
誰もが何かを叫んで何処かへ走った。
とまどう私はしゃかりきで、
傘のさし方すら覚えなかった。

いつか一人ではなくなっていた
一人には戻れなくなっていた
この道はまだまだあって
どこまで続くのかと思われた

雨上がりに一滴の雫が輝いていた
電流に弾かれたみたいに一瞬で
空を見上げた
紙飛行機が飛んでいた

空の深さを知ろうとした
その手は宙を泳いで
何んにもないのが空だった

空を知りたいと思った
空になりたいと思った

空を見ていた
同じ気持ちになっていた